格安SIMカードを提供する「MVNO」とは?

キャリアの料金プランよりも割安な格安SIM

スマホの本体に内蔵されている「SIMカード」。
これまではスマホを購入する際に、キャリアが提供するカードを装着して使うのが一般的だった。
この場合、料金プランは必然的にキャリアの高額なものを選択しなければならない。
最近はこうした高額な料金の不満が高まり、キャリアの料金プランよりも割安な「格安SIM」が注目を集めている。

格安SIMは「MVNO」と呼ばれる通信事業者が提供するサービスだ。
MVNOは、大手のキャリアのネットワークを借り受けてサービスを提供する通信事業者のこと。
NTTドコモのネットワークを借り受けて事業者が多数を占め、日本通信やIIJ、ビッグローブなどがサービスを提供している。
では、格安SIMのメリットはどこにあるのか。最大の利点は、料金が割安なことだ。
通信速度が速いLTEの高速通信を利用できる容量は少なくなるが、毎月1,000円前後で運用できる。
毎月のデータ通信料が少ないのであれば、キャリアプランよりも確実に安くなるといえるだろう。

自分に合ったサービスを選べるのも利点。
割安な基本使用料で利用できるIP電話アプリを提供するサービスや、公衆無線LANを割安な価格で利用できるサービスなども自由に選択できる。
また、自宅のネット回線で契約しているプロバイダが格安SIMを提供している場合、月額料金の割引サービスを受けられる場合もある。
また、キャリアのプランには2年間の縛りがつきものだが、格安SIMは利用期間の制限を課すサービスは少ない。
すぐに解約できるのもメリットのひとつだ。ただし、デメリットもある。
自分が毎月利用するデータ通信料に見合うプランを選択しないと、通信速度が制限され、ネットが使いにくくなってしまうことがある。
初期設定を自分で行う必要があるのもネックだ。
また、キャリアメールや、家族割りなどの各種割引サービスは格安SIMでは利用できない。
おサイフケータイなどの一部のサービスや同社間の無料通話も利用できないので注意が必要だ。

MVNOは通信インフラを借り受けてサービスを提供している

MVNO

大手キャリアが提供している規模のインフラをゼロから構築するには、膨大な額の設備投資が必要になるため現実的ではない。大手3社以外の事業者でも通信サービスを提供できるようにするため、「MVNO」の仕組みが用いられている。

ドコモの通信インフラを使うMVNOがほとんど

キャリア MVNO
NTTドコモ 日本通信、IIJmio、ビッグローブ、DTI、楽天、エキサイト、@nifty、So-net、U-NEXTほか
au mineo(マイネオ)
ソフトバンク なし

au初のMVNOがついにサービス開始

これまではNTTドコモの回線網を借り受けるMVNOが多数を占めていたが、auのネットワークを使用する「mineo」がサービスを開始。 auのスマホで利用できる。ケイ・オプティコムが提供する。「mineo」は、auスマホで利用できる唯一の格安SIM。

MVNOのメリット・デメリットを確認しよう

MVNOのメリット

スマホタブレットを割安な料金で利用できる
格安SIMの最大のメリット。どの格安SIMを選ぶかにもよるが、約500円からの運用も可能。電話とデータ通信を使う頻度が少ない場合は、現在よりも安くなる可能性が高い。

自分に合ったサービスを自由に選べる
IP電話アプリや公衆無線LANサービスを割安な価格で利用できる格安SIMもある。使いたいと思うサービスを、ユーザーが自由に選べるのも格安SIMの魅力のひとつといえる。

2年縛りがないサービスが多いので解約しやすい
キャリアのプランには2年縛りがあり、タイミングを逃すと解約手数料が発生する。格安SIMのほとんどは利用期間の制限がない。不要になった場合などは、すぐに解約できる。

MVNOのデメリット

適切なプランを選ばないと不便になる場合がある
格安SIMは、高速通信容量を毎月1GB、500MBと制限することによって割安な料金を実現している。使い過ぎて制限容量を超えてしまうと、通信速度が遅くなり、使いにくくなる。

初期設定などを自分で行う必要がある
キャリアのスマホがあれば、難解な設定をせずにそのまま使い始められるが、格安SIMはほとんどの場合、ユーザー自身が初期設定を行う必要がある。こうした設定が苦手な人は注意。

キャリアサービスは基本的に利用できない
キャリアメールや家族割などの各種割引サービスは格安SIMでは利用できない。キャリアが提供する独自サービスを利用する機会が多い人は、導入しても不便がないか確認しよう。

MVNOのSIMで「できること」と「できないこと」

できること

・インターネット
・電話
・緊急通報(音声通話対応SIMの場合)
・緊急速報

できないこと

・キャリアメール
・各種割引サービス
・おサイフケータイ
・無料通話

使用中の電話番号を持ち越せるMNPにも対応

格安SIMの「音声通話対応SIM」であれば、MNPで移行可能。現在使っている電話番号をそのまま使い続けられる。電話番号を変えたくない人はMNPでの移行を検討しよう。大手キャリア間での移行とほぼ同じ手続きでMNPが可能。

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